新築検討を実際にしてから入居するまで、おおよそ1年~1年半くらいを見ておいてください。注文住宅は、ご契約をしてから家の詳細が決まっていくので、引き渡し時期が曖昧なのがほとんどです。入居時期がはっきりしている場合は、まだ早いな、と思う時期に行動するくらいがちょうどいいです。
では、どんな流れで進めていくのか、大きく3つのセクションに分けてみていきます。
予算と土地、住宅メーカーの決定
1.希望の土地と住宅メーカー選びを並行して進める
最近では、ネットで多くの土地情報を見ることができます。下調べとしてネットで希望の土地の平均価格や大きさを確認しておきましょう。住宅メーカーの中には提携している不動産会社や、メーカーが所有する土地(自社地や条件付き土地と呼ばれています)を紹介してくれますが、知識がないうちに話を聞くと自分たちにとっていい土地はどこか混乱してしまいます。まずネットや資料請求の中で下調べをしていきます。
下調べしたあと、実際に展示場や不動産に行って詳しく話を聞きましょう。より詳しい情報を掴んで土地と建物を選んでいきます。
2.住宅ローンの事前審査
土地の平均価格や、建てたいメーカーの平均予算を把握できたら、次に住宅ローンの事前審査をしていきます。事前審査と聞くとこの段階では早いのでは、と心配なさるお客様が多いですが、早めに済ませておくことをおすすめします。土地や建物が決定してから実は予算が合わない、なんてことを後半になって気づくと、また振り出しに戻ってしまうからです。事前審査結果は、平均して6ヶ月間程度は有効なので、早めに審査をしてもその後の検討を焦ることはありません。(銀行により事前審査結果の有効期限は異なります。)
3.土地の申し込み
希望の土地が見つかり予算面も確認できたら、土地を購入するための申し込みをします。この申し込みには建物の仮プランと概算見積りが必要になるので、住宅メーカーを2社程度に絞っておきましょう。また、土地購入を住宅ローンに含める場合、2.でお伝えした事前審査の結果も必要になります。
4.建物のプラン(仮)
プラン作成を依頼する住宅メーカーは2社、多くても3社に絞っておきましょう。それ以上多いと返って混乱して、家づくりを中断される方を私は何人も見てきました。
間取りの希望を伝えて、おおよその大きさや部屋数などから概算の見積りを作成してもらいます。このプランはあくまで仮のプランであって、そのまま家になるわけではありません。あとから2階建てから平屋にすることだってできるので安心してください。
5.建物と土地の契約
建物の間取りと概算の見積りから、住宅メーカーを決定し工事請負契約へと進みます。この契約以降でも、だいたいの住宅メーカーで間取りの変更ができます。
同時に、土地契約を進めていきます。土地契約にはたくさんの提出資料がありますが、担当営業の方が不動産会社と直接やりとりしてくれます。
契約後の詳細打ち合わせ
1.住宅ローンの正式審査
土地と建物の契約が完了したら、住宅ローンの正式審査へと進みます。どの銀行から借入れするのか、再度担当営業と検討していきます。
事前審査が通っていれば、ほぼ正式審査も通過します。しかし、他ローンの借入れ状況や勤務状況が事前審査時と変わってしまうと正式審査が通らないケースがありますので、契約前後のローンの借入れや転職などは控えておくといいでしょう。
2.建物プランの確定・内装打ち合わせ
いよいよ建物プランの確定をしていきます。プラン確定後、役所や専門機関へ正式に建築許可をもらうための建築確認申請を提出します。この後にプランを変更する場合、再度申請費用が掛かってしまうので注意しましょう。
建物プランを決めたら、内装打ち合わせをしていきます。設備のショールームを見学したり、フローリングや壁紙のサンプルをみて決めたりします。注文住宅の醍醐味ともいえる時期です。
3.地鎮祭・近隣へのご挨拶
建物の詳細も決まり工事を始める前に、地鎮祭を執り行います。地鎮祭とは、家を建てる前に土地の神様に安全を祈願する行事です。この時に合わせて近隣へのご挨拶をしておきましょう。最近では工事の騒音トラブルが発生しやすいので、工事期間と工事車両が通る旨をあらかじめ伝えておくと入居してから良い環境で住むことができます。
着工~お引渡し
1.工事開始
建物の土台となる基礎工事から建物の屋根がかかるまでに通常1ヶ月~1ヶ月半かかります。ただし、この期間の工事作業は天候に左右されやすいため、季節により時間がかかるケースがあります。建物の基盤となる大切な工事ですので、工事期間が延長しても焦らず待ちましょう。
2.上棟
基礎が完成したら、建物の骨組みを組んでいきます。この工程で雨が入り込んではいけないので、たいてい天候が良い日に1日で屋根まで組みます。この日はぜひカメラを持って現場へ見に行ってください。ちなみに私は、タイムラプス動画で屋根が立ち上がるまでの様子を撮影していました。建物が完成していく様子は圧巻です。一生に一度しかない経験なのでおすすめですよ。
配線立ち合い
打ち合わせの中で決めた、コンセントやスイッチ、照明の位置などの確認を現場の人と行います。配線立ち合いの時に、決めた位置がイメージ通りなのかを確認することができます。配線位置を変更できるチャンスはこの段階までです。この機会を逃さず、希望をしっかりと現場の方へお伝えしましょう。
内装工事・設備の設置
屋根が完成したら、配線工事や内装工事、設備の設置など細かい作業になっていきます。時々現場に行き、進捗具合を確認しに行きましょう。大切なことは、職人さんと顔を合わせることです。職人さんも人間なので、住む方の顔が見えるのと見えないのでは仕事の頑張り具合も変わってきます。飲み物などでいいので、差し入れを持って行くと喜んでもらえます。
竣工検査
建物が完成したのち、打ち合わせで決めた通りの間取りや設備になっているかを現場で確認していきます。ドアの開閉はスムーズに行えるか、壁紙はきれいに貼られているか、傷はないかなども目を凝らして見ておきましょう。
お引渡し
建物が正式にお施主様のものになる日です。ここで初めて鍵をお渡しして、お施主様に施錠をしてもらいます。この日に、建物内すべての設備の説明も受けられます。実際の入居はお引渡しのあと、ご都合に合わせて引っ越し業者や家電の設置の段取りをしていきます。
これが一般的な新築検討から入居までの流れになります。見てもらった通りとても長い工程ですので、ぜひ早めに行動することをおすすめします。
コメント